約束でした・・・・

昨日のつづきです・・・・・



実は・・・・

母方の伯父が、十年ほど前(私が小学生の頃)に2輪の事故で片足が不自由になり・・・

両親は自分の子供にはそんな目にあって欲しくないとの願いでバイクには乗せない方針でした。
わたし自身も、伯父のびっこを引きながら歩く姿を見ていましたから、
バイクは縁のないモノだと、自分自身に言い聞かせていました。
でも級友達が次々免許を取りヤマハHT1やホンダSL90に跨り、遊びの誘いに
来たり、月刊バイク雑誌「モーターサイクリスト」を食い入るように見る姿を見て
ようやく原付免許限定で取得することを許されたのです。

「気をつけて乗れよ」
バイクを受け取り、バイク屋さんから帰宅した時は、
両親揃って門の所で立って待っていました。
父の口から出た言葉です。
その言葉の響きには痛い程の両親の気持ちがこもっていましたので、
下手なことは出来ないのを感じました。

実は3年間の間に、一度転倒したことがあります・・・・
トンネルを抜けた右コーナー、逆バンク、浮き砂利に前輪を取られて、フロントから倒れ右側から転倒!
ゆっくりスローモーションの映画でも見ているように右腰から道路へ叩き付けられました。
バカなんでしょうね、そんな時でもバイクを庇って車体の下側に自分のカラダを入れようとしてました。
ほんの一瞬の出来事なのですが、とても長く感じる感覚です。
右の腰辺りの痺れを感じましたが急いでバイクを起こし、後ろに括りつけてあった学生カバンが飛んでいたので一旦バイクのスタンドをかけ、カバンを拾って再びバンドで縛りつけ・・・
この時、バイクのダメージを確認・・・バカなんでしょうね。先にカラダだろ!(笑)
一文字ハンドルのグリップエンドは樹脂部分がちぎれ、後ろのウィンカーはレンズが欠け・・・
アップマフラーのプロテクターに擦り傷・・・・・
その位でした、車体を犠牲にしたのが功を制したのでしょうか(笑)

自分はと見れば・・・・
この時点で道路から外れ、並行して走る林道に自分は居ました。
というのも狭い地区ですので、万一近隣の人達に見られたら直ぐに親の耳に入るのを考慮したからです。地区の方達は親切で、バイクに乗るわたしに、気をつけてね、と親と同じことを言っていた位ですから。
勿論それはbさんとこの伯父さんがあんな姿になって・・・との思いもあるのでしょうけれど。

腰部の外側の丁度ベルトの下辺りが切れて血が出ていました。
出血量はそれほどでもありませんが、ズッキンズッキンと痛みが脈打つように襲ってきます。
転倒したときにセンターラインのキャッツアイに当てたのでしょう・・・
カバンの中からヨネックスのスポーツタオルを出し、勿体無いとは思ったのですが傷口にあて
血止め代わりにベルトをきつく締め上げました。
黒い詰襟の下に着た白いシャツは血が滲んでいました。
黒いズボンはほつれ、これも血が滲んでいます。靴下はくるぶしのところで破れ、こちらも少し赤く滲んでいます。不思議なもので肘を擦りむいたのに気付いたのは家に帰ってからです。

さて、この姿を両親に見られたら、かならずバイクは禁止になることは分かっていましたので、
それだけは避けたい・・・
バイクは2~3度のキックで難なく目覚めました。ポロポロという排気音がとても愛おしくそしてバイクに対して申し訳が無く、泣けてきました。
走り出しても涙が止まらず風景が滲んでいました。

家の手前で一旦バイクのエンジンを切り、押しながら物置の中にバイクを入れました。
いつもは出やすいように右側を手前にして停めておくのですが、今日は見えないように反対にしました。丁度家に両親の姿は無く、祖父が居間で相撲中継のTVをみているだけでした。
小さく「ただいま~」と声をかけましたが、耳が遠いのと相撲に夢中で気がつかないようでした。
急いで風呂場に行きズボンを脱ぐと買ったばかりのスポーツタオルは血に染まって真っ赤だった。
概ね出血は止まっていたのでコッソリ赤チンキの入った薬箱を台所から持ち出し塗りました。
沁みました!白いシャツはゴシゴシ洗ったら若干黄ばみが残りましたが目立たなくなりました。
お気に入りだったヨネックスのタオルは流石に血が染み込んで落ちない・・・
泣く泣く新聞紙に隠すように包んで捨てました。
ほつれたズボンは、針と糸を駆使してほころんだ所を寄せるように縫いました。
これでしばらくは持つだろう。
ここまで、大忙しでやってやっとホッとした。

破損したバイクのパーツは明日バイク屋さんの廃車置場から、適当なものを貰おう。
グリップもウィンカーレンズもカブと共通部品だから・・・・。
ホッとしてベッドの下に背を持たれかけてたらいつの間にかウトウトしたらしい。
母の「ご飯だよ~」の声で目が覚めた。


幸いにも、この時は両親にも気付かれずに済んだ・・・・
と、思っていた。

後年、30を過ぎて中型免許を取得した時に父に言われた。
「今度は大きいバイクに乗るのか?今度は重量もあるしスピードも出るので気をつけろ」
その時、とうに忘れていた記憶が一辺に蘇えりました。
父によると、その時転倒したのを知っていたそうです。
物置に停めてあるわたしのバイクを点検するのが日課になっていたようです。
心配だったのでしょう・・・・
だから転倒して出来た傷もすぐ分かったそうです。
このまま、禁止にしてもいいんだが若い時の転倒は誰にでもあるもの、そこで学習して
腕を磨く方が為になるのではないか、と思ったらしい
というのも父自身、長く2輪通勤をしていてバイクの怖さとかはもとよりバイクの
楽しさはなにものにも代えがたいものというのを知っていたのでした。
ありがたいことです、自慢じゃないですがアノ時以来転倒はありません。
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立ちゴケは、1~2度ですが。
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どんなカタチであれ、たぶんバイクは一生乗り続けるでしょう・・・・
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by boxycat | 2009-12-10 21:48 | 2輪