昔話・・・・

中学の・・・・




下校途中・・・・

雨に降られた。

傘を持っていなかった。
キャンバス地のカバンは雨を透す。

バス停までカバンを抱えるように前屈みになって歩いていた。

クルマの近づく音がした。

水跳ねをされるのを嫌がって道路脇に避けた・・・

クルマが停まった・・・

白いブルーバードだった。

「乗っていきな」
運転席から手を伸ばして助手席を開けてくれた。
「んでも(服が)濡れてっから・・・」
「いいがら、いいがら(かまわないから)」
「んじゃ、後ろん席に(後部座席に)」
後部座席には学校に納める為の教材らしきものが占領していた。
「んじゃ、空いてっとこに座んな(空いている所に座りなさい)」
四角いドアハンドルを引いて後部座席に潜り込んだ。
ビニールレザーのシートだったが濡れた服を付けないように中腰で居た。
「降られたナイ(降られたね)」
「はい、天気よほーでは降んねーよーなごど言ってだんだげども・・・
(はい、天気予報では降らないような事言ってましたけれど)」
男性は中学校に出入りしている業者さんだった。
購買部の倉庫に荷物を運んでいるのを何度か見かけた。
一度、更紙を重そうに運んでいたので手伝ったことがあった。
その事を覚えていたのかも知れない。

白いブルーバードは新車だった。510と呼ばれる日産自動車のセダンだ。
当時読み始めたモーターファンに載っていた。
あまりに専門的過ぎて中学生には理解できない事柄が殆んどだったが写真や図解を
見ているだけで楽しかった。
特に510ブルーバードは三角窓がないスタイリングでそれまでの日本車のサイドビューとは趣きが違っていてスッキリしていた。
「これ、ブルーバード510け?」
ルームミラー越しに目が合った。
「お、にーちゃん!クルマ詳しいなぁー。んだ、510だ。こいづはスタンダードで
1300だげんとも、いいべ?クルマ好きなんか?」
(そうだよ、510だよ。これはスタンダードタイプで1300ccだけど良いでしょう)
「ん、好きだ」
バス停に着いた。
「どーも、ありがとうございました」
「ん、こないだ荷物持ってくれたお礼だ。気―つけて帰んな」

一瞬、腰を下ろした黒いビニールシートはふんわりしていた。
ほんの2~3分の初めての後部座席インプレッションだった(ただし中腰)
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日本の名車シリーズ・・・・KONAMI製
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by boxycat | 2009-10-29 21:28 | ミニカー